ヤツワクガビル
学名:Orobdella octonaria
サイズ:30cm
分布:日本 
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ヒルといえば血を吸うイメージが第一に浮かびますが、世の中には血を吸わないヒルの仲間も数多くいます。それらはいったい何を食べて暮らしているのかというと、たとえば小型の貝類に頭を突っ込んで食べるヒルがいます。一方で、本種を含めたクガビルの仲間はミミズを専門に食べるグループです。どのようにミミズを食べるのかというと、これがなかなか圧巻で、まずミミズを感知すると頭部をぐっと持ち上げ、そのままヘッドバンギングをするように頭を四方に振り乱しながらミミズを追いかけていきます。クガビルにはケシ粒のような痕跡的な目しかないので、基本的には嗅覚を頼ってミミズを追います。追いついて頭がミミズの一部に触れると、今度は頭の先を大きく開いて吸着し、そのまま強力掃除機の如くズルズルとミミズを飲み込んでいくのです。この吸引力はすさまじく、ミミズは逃れるすべもないままあっという間に飲み込まれていってしまいます。クガビルの中でも本種ヤツワクビルはかなり大型の種で、平常時で30cm、伸びている時は最長50cmにまで達すると言われています。サイズが大きいだけあった食べるミミズも大型の種類を好み、シーボルトミミズという全長30cm近くに達する巨大種をよく食べます。食べるヒルも食べられるミミズも、小型のヘビ類かと見間違えてしまうほどの規格外です。ちなみに日本に生息する小型のヘビでミミズを食べるタカチホヘビという種類がいますが、並みの個体であれば伸びきった時のヤツワクガビルに長さはとうてい及びません。こんな悪夢のような生物がどんな場所にいるかというと、意外にも身近な場所でひっそりと暮らしています。森林などに生息するヤツワクガビルは雨上がりの山中などでも見ることができ、時折山歩きの人たちに発見されて、ちょっとした騒ぎになることもあります。
| | | 入手と飼育 | | | 
クガビルの仲間は全体的に暑さに弱く、冷涼で湿潤な環境を好みます。このため、稀にペットとしての流通もありますが、飼育難易度は高めです。この仲間はナメクジなどと同じ雌雄同体で、2個体がいれば子孫を残すことができます。繁殖形態は卵生で、透明なガラス玉のような卵から数匹の子供孵ります。