ヒラコウラベッコウガイ
学名:Parmarion martensi
サイズ:2〜4cm
分布:日本(南西諸島)、東南アジア
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小さな貝殻(甲羅)を背に持っている、ナメクジとカタツムリの中間的な形態をした変わった陸棲貝です。ナメクジなのに甲羅の名残を持つマダラコウラナメクジ Limax maximusに近いように見えますが、本種はより甲がはっきりしていて、分類上ではナメクジ科よりもベッコウマイマイ科というグループに近縁です。ベッコウマイマイ科は尻尾の先端に棘状の突起がありますが、ヒラコウラベッコウガイも同じような特徴を持っています。全体的に扁平で、背にある小さな甲が甲色をしていることから和名があります。この甲は完全に全身をしまうことができません。平常時は甲が確認できるのですが、移動時は肉質の外套膜が甲を覆ってしまい、甲は見えなくななります。そうなると背が変に盛り上がったナメクジといった姿になり、とても奇妙です。
食性は他のナメクジ類とあまり変わらず雑食性で、さまざまなものを食べて暮らしています。本来は東南アジア原産ですが、観葉植物に付着するなどして持ち込まれた個体が定着し、日本の南西諸島でも見られます。1986年に沖縄県名護市で見つかったのが国内最初の発見例です。生息環境は幅広く、人家周辺や耕作地、林の中と多様な場所で暮らしていますが、実際に探そうとすると意外と見つかりません。 
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| | | 入手と飼育 | | |
稀に飼育動物としてネットオークションや専門店などで販売されてもいますが、基本的には入手したい場合直接採取することになります。飼育方法はプラケースなどに腐葉土やヤシガラ土の湿らせたものを敷き、乾燥させないように気をつけます。あまり通気性のないケースだと空気がこもってしまうためおすすめできません。餌には、野菜くずやカメ用の人工飼料などを使います。また、これはカタツムリ・ナメクジの飼育に共通することですが、ケース内で自分が一度這った跡の上は通りたがらない性質を持つため、なるべくこまめにケースを掃除して清潔に保つようにしてやります。
元々は外来種なので、現在の生息地である南西諸島以外で飼育する際は飼っていた個体を野外に逃がすことは絶対にやめましょう。