イエロージャイアントヒヨケムシ
学名:Galeodes sp.
サイズ:10cm
分布:エジプト
c0165803_13404653
ヒヨケムシは世界三大奇虫と呼ばれる、際立って変わった姿をした奇虫の一角を占めるグループで、その中でも特に異形度が高くエグささえ感じる姿をしています。鋏角(きょうかく)と呼ばれる巨大な牙のような器官を持ち、頭部の先端中央部分に目があります。餌を食べる際はこの鋏角で器用に捕まえ、そのまますり潰すようにして食べていきます。節に分かれた腹部は楕円形で、餌を食べる時は膨らむような柔軟性を持ちます。この部分は触ってみるとかなりぷにぷにとしていて、意外にも感触が気持ち良いです。腹部を含めて全身はまばらに生えた薄い毛に覆われています。この毛は一部のサソリなどと同じく感覚器官であると思われます。裏返して見てみると腹にラケット器官という小さな突起物が並んでいます。ヒヨケムシの仲間は世界各国に生息しており、12科1000種類以上が知られています。形態や大きさもさまざまで、体長は数cm程度のものから、イエロージャイアントと呼ばれる本種のようにわりと大型の種類までいろいろな種がいます。恐ろしげな見ためから、噛まれたら死んでしまいそうな気さえしますが、実は本種を含めたヒヨケムシのほとんどは毒を持っておらず、噛まれても物理的に痛いだけで、死亡するような事態にはなりません。ただし、インドに生息する一部の種類については毒を持っていることも知られています。
c0165803_0475566

| | | 入手と飼育 | | |
ヒヨケムシの仲間はペットとしての流通があり、日本でも見かけることがあります。多くの種類がいるグループですが、流通に乗る種類は本種イエロージャイアントヒヨケムシのほか「イエローフェザーヒヨケムシ」「ブラックキラーヒヨケムシ」と呼ばれる3種程度です。生態などはあまり研究されておらず、飼育方法もいろいろな説が混在し、何が正しいのか判明していない部分も未だに多くあります。ここでは現状で分かっているかぎりの飼育方法を説明していきます。元々生息している場所が乾燥地なため、床材には砂漠の砂や乾かしたヤシガラ土などをブレンドして使うと良いでしょう。自然下では穴を掘って生活しているので、厚く床材を敷くとトンネル工事のように巣穴を作っていく様子が観察できておもしろいです。コルクや植木鉢の欠片を半分床材に埋めるようにして入れてやると、そこを取っ掛かりとして巣穴を掘っていくので、ここに掘ってほしいと思う場所に置いてやるといいです。厚く敷いた床材のうち、底の部分は湿度があり上のほうは乾いているのが理想形だと思われますが、なかなかその環境を作ろうと思うと難しいかもしれません。床材を敷く時に全体の3分の1くらい敷き詰めたら水を入れて湿らせ、その上に改めて乾いた床材を重ねていくとうまくセットできます。
湿潤な環境に棲む「ブラックキラー」を除く乾燥地棲の2種は、飼育下でバスキング(日光浴)をする姿がたびたび見られているので、小さめのスポットランプをケージの一部に照射してやると良いです。必需かどうかは不明ですが、紫外線を含む蛍光灯なども当ててみると良いのかもしれません。また、これら乾燥地帯の種は昼夜で寒暖差が激しい砂漠などに生息するため、スポットランプを夜間消灯するなどして飼育下でも昼夜の温度差を付けると良いかもしれません。水入れから直接水を飲んでいる姿は見たことがないため、水入れは入れなくても良いように思われます。たとえ入れてやっても、巣穴を掘っている最中に砂まみれにされて役割を果たさなくなるでしょう。水分を補給する時は週に一度程度ケージ内に霧吹きをしてやるか、生体に直接水を軽くかけてやるぐらいで問題はないようです。生体にスプレーする時は軽く水滴が付く程度にしておきましょう。あまりかけすぎると弱る傾向が見られます。また、餌となる昆虫にあらかじめたっぷりと水を与えておけばそれだけでもかなりの水分補給になります。当たるもの全てに噛み付いてくるので、、生きて動いている餌虫であればたいてい何でも食べます。コオロギや餌用ゴキブリが使い勝手がいいでしょう。給餌間隔は、食べるだけ毎日与えると際限なく食べ続けるため、お腹が張り詰めている時は給餌しないなど飼育者側で調節してやります。腹部がそれほど張っていないのにヒヨケムシが餌に反応しなくなってきた時は、かなり衰弱している場合であることが多いようです。繁殖形態は卵生で、メスのお腹の中に卵があるうちから幼虫の発生が始まっているので、産卵してから数日で卵は孵化します。卵を持った状態の輸入されたメスが産み落とす形(持ち腹)での繁殖例は稀に聞きますが、飼育下で雌雄を交接させてからの本格的な繁殖例は未だに耳にしません。まず長期飼育そのものが難しいため、ヒヨケムシの繁殖は夢のまた夢と言えるでしょう。ここで書き出したことが全て正しいかはわからないですが、これらを飼育する時のポイントとして活かしてもらえると嬉しいです。