ペルビアンジャイアントセンチピード
学名:Scolopendra gigantea
サイズ:30〜40cm
分布:ブラジル、ベネズエラ、コロンビア
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赤黒い巨体に、細長く白い脚がとても印象的なオオムカデです。紹介しているガラパゴスオオムカデも世界的にみて最大級の巨大種ですが、同じく超大型の本種とは体格が違います。ガラパゴスオオムカデは全体的に図太くずんぐりとした姿で、脚が短い代わりに胴体部分が太く重量感がありますが、本種ペルビアンジャイアントセンチピードのほうは、全体的に細くひょろりと長い見ためをしています。どちらの種も最大30cm以上の超大型になるのは間違いありません。南米には本種の他にも似たような種が数種いて、まだ分類上未記載のものも多いです。また、国内で、「 ペルビアンジャイアントセンチピード」として流通しているムカデの中には、実際は本種以外に数種類が存在します。「ペルビアンタイガーバンドセンチピード Scolopendra viridicornis 」と「ペルビアンオレンジレッグセンチピード Scolopendra sp.」が本種として流通していることが多く、どちらも日本産など他地域のムカデに比べると大型ではあるものの、本来のペルビアンジャイアントである本種には及びません。正確にペルビアンジャイアントと呼べるのは本種のみなのです。ペルビアンジャイアントセンチピードは他の類似種よりもずっと脚が長く、立体活動も得意で、洞窟の天井付近まで登りコウモリえお捕食する姿なども確認されています。動きがとても速く、ある程度の大きさになっても俊敏に動きます。他のムカデと同じく肉食性で、小型の昆虫から爬虫類、齧歯類など小型の哺乳類までさまざまな生物を食べます。
| | | 入手と飼育 | | | 
巨大ムカデの最高峰たる本種は飼育種としても人気が高く、多くのムカデ飼育愛好家が憧れ、絶大な支持を得ています。現在でもごく少数での流通がありますが、取り引きされている価格帯は非常に高価です。かなり大型化する種類で、最終的には長辺45〜60cm程度の大きさのケースが必要になってきます。飼育下では床材の中に潜っていることが多いので、潜れるようなヤシガラ土などを厚く敷いておくと良いでしょう。厚く床材を敷くのは脱皮不全の防止の意味合いもあります。本種は地中で脱皮を行うことが多く、薄い床材で体が露出しているとうまく脱皮できないことがあるのです。餌は他のムカデ同様、コオロギやデュビアなどを主に与えます。脱皮直後や産後の個体の栄養補給には、ピンクマウス(冷凍した餌用マウスの子供)なども適していますが、あまり与えすぎると突然死を起こすことがあるので注意が必要。消化不良によるものなのか栄養過多によるものなのか詳しい原因は不明ですが、多すぎる餌やカロリーの高すぎる餌を常用づるのは適していません。飼育温度は25〜28℃を維持します。低温にはもちろん強くありませんが、意外にも過度な高温にもあまり強くない印象を受けます。乾燥にも比較的敏感なため、床材は常に湿っている部分があるくらいが良いです。ただし、あまり湿度を上げ過ぎるとダニが発生する原因にもなるので注意します。毒性の強さは、実際に噛まれたことがないので分かりませんが、当然ムカデなので有毒なのは間違いありません。国内に生息するトビズムカデなどに噛まれてもかなり腫れますが、ずっと大型の本種に噛まれると毒の入る量もより多いため、相当な痛みや腫れが生じると思われます。詳細は未知の領域ですが、絶対に噛まれないように取り扱ってください。本種は動きも速いうえ、パワーもそれなりにあるのでピンセットなどで扱う場合もはじかれたり登ってこられないように十分注意が必要です。外観ではほとんど雌雄差が分からないため、繁殖を狙うのはなかなか難しいと思われます。共食いのリスクもあるため、飼育下での交接から始まる完全な繁殖例は聞きません。ムカデの交接はタイミングが合わないよ片方がもう片方をあっという間に食べてしまったりするので飼育者としては非常にリスキーな行為なのです。目の前で大事なムカデが食べられる姿は、誰も見たくはないでしょう(笑)。うまく交接ができたり、捕獲されて流通に乗る前に自然下で交接が済んでいた場合はメスが卵を産むこともあり得ます。多くのムカデは卵を産むこともあり得ます。多くのムカデは産後に母親が飲まず食わずで卵を守り抜き、孵化するまでカビが生えないよう卵を舐めて清潔に保つなど甲斐甲斐しく世話をします。しかしながら南米産のムカデの多くには、子供が孵化すると同時に母親を食べてしまう例も多く確認されています。卵が孵化するまで飲まず食わずのため、母親が疲弊して体力がなくなって結果的に食べられてしまうのか、それとも習性としてそういうものなのかは不明ですが、親を食べてしまったムカデの幼体の姿はパンパンで、かなりグロテスクな見ためになります。もし繁殖に成功しても、親が食べられてしまうというのは飼育者としてなんとも言えない気持ちになりますね。繁殖に挑戦するかは別として、大型ムカデはその存在感から純粋に飼育するだけでも十分に楽しめるので、興味を持った人は飼育してみてください。ただし、取り扱いには十分にご注意を!
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