ガロアムシ
学名:Galloisiana spp.
サイズ:2cm
分布:日本 
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冷涼で湿潤な山間部や森林の地中、洞窟、石の下などでひっそりと暮らす不思議な昆虫がこのガロアムシ。昆虫類の中でも認知度は低く、名前を聞いても何のことやら全く分からない人がほとんどだと思います。ガロアムシは昆虫網ガロアムシ目の仲間の総称で、日本の中禅寺湖で初めて本種を発見したフランスの外交官 E.Galloisに因んで命名されました。英名はIce Crawler(氷の周りを這う者)と呼ばれます。現在日本では、8種のガロアムシが知られていますが未記載種も多く、これからより多くが記載されていく可能性が高いです。
ガロアムシの仲間は国内のみならず世界各国(北半球のみ)の冷涼な地域に広く分布していて、「氷河期の生き残り」とも言われています。中生代の地層から化石も発見されており、カブトガニやシーラカンスと同様古くから全く同じ姿で存在する「生きた化石」の一つです。ガロアムシたちは現代に生きるさまざまな昆虫の形態特徴を合わせ持っていて、バッタ目(直翅目)やハサミムシ目に最も似ています。成虫になっても羽は生えず、その姿はシロアリを細長くしたような形です。生態は変わっていて、幼虫の期間がとても長く、成虫になるまでなんと5~7年もかかります。不完全変態(蛹を経ず幼虫から成虫になること)で、脱皮を繰り返して成長していきます。孵化直後の大きさは3mm程度ですが、成虫になる頃には20mmほどに成長します。卵生種で、大きさ約1mm程度の卵を1回の交尾で数十個産み落とします。幼虫期だけでなく卵の期間も長く、6ヶ月〜1年程度と言われています。ガロアムシの仲間は野生化で全体的にメスよりオスのほうが少なく、10匹見つけたとすればその中に1匹オスがいれば良いほうと言えるくらいの比率です。その理由はよく分かっておらず、謎のまま。分布域は広いものの、生息場所は局地的なのでどの種も見かける機会は滅多にありません。
| | | 入手と飼育 | | | 
あまり生態が知られていないガロアムシですが、運良く見つければ飼育することも可能です。流通することは皆無に等しいので、入手方法としては野生の個体を採取するしかありません。探しても滅多に見つからない希少な生物のため、採取数は最小限に止め、生息環境を破壊しないなど節度を守っておこなってください。飼育ケースは小さなプラケースやタッパーを用いますが、空気穴から脱走されないよう気をつけます。冷涼な場所に生息しているため、温度には気をつけないといけません。理想的な温度は、10〜15℃です。年間を通してこの温度を維持するのは難しく、ワインセラーや冷蔵庫などに飼育ケージを入れる必要があります。乾燥にもとても弱いため、常に湿度を保っておく必要があります。床材は清潔に保っておく必要があるので、ヤシガラ土やミズゴケ、キッチンペーパーなどの保湿ができて交換が容易なものが管理しやすいです。隠れ家には小さな石や流木などが使えます。野生下では小型の昆虫を食べていますが、飼育下では冷凍アカムシを解凍したものをケース内においてくと食べたりします。冷凍餌の他にも、生きた小型の昆虫も与えてみると捕食行動が観察できておもしろいです。これにはトビムシや小型ワラジムシなどが適しています。
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