アシブトメミズムシ
学名:Nerthra macrothorax
サイズ:2cm
分布 :日本(九州南部以南)
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とても小さな昆虫で、ぱっと見ただけでは生き物なのか、海辺に落ちている木くずや枯れ葉なのか迷ってしまうような見ためをしています。生息場所は海辺の砂浜などで、石や流水をどかすとその下で見つかることが多いです。姿はタガメやコオイムシといった水棲のカメムシ類に似ています。しかし、アシブトメミズムシは水場の近くに生息しているものの泳ぐこおはできず、水中では簡単に溺れてしまいます。翅は生えているもののほぼ退化しており、飛ぶこともできません。動きかたはおもちゃのようで、カクカクと小刻みい歩きます。泳げず、飛べず、地を這うばかりで、動きも鈍い、こんな難儀な昆虫が肉食性であるというのはちょっと驚きです。いったい何を捕らえて食べるのか不思議ですが、動きの鈍いアシブトメミズムシでもちゃんと捕まえられる生き物がいるのです。それが、ダンゴムシやワラジムシの仲間です。特に生息場所が近いハマダンゴムシは本種の格好の獲物です。これらは動きが鈍い代わりに、丈夫な殻を持っていますが、アシブトメミズムシはそれに対処できる武器を持っているのです。アシブトメミズムシの前脚は太いカマのようになっていて(これが名の由来です)、餌となるダンゴムシやワラジムシをしっかりとホールドすることができます。相手を捕らえると針のように尖った口吻を殻と殻の間にうまく差し込み、そこへ消化液で獲物の体内はどろどろに溶け、そこをストローで吸うようにして食べていくのです。この食べかたはタガメなどと同じ方法で、アシブトメミズムシがこれらに近い昆虫であることが分かります。
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| | | 入手と飼育 | | |
本種は夜行性で、昼間は砂に潜っていることが多いためなかなか見つけることができません。運良く見つけた時は、近くをよく探してみましょう。本種は同じ場所に固まっていることが多いので、見つかった場所の周りにも同種がうようよいることが多いです。飼育する際は生息地と同じように砂を敷いてやり、餌にワラジムシやダンゴムシを使います。オスとメスで体格差があり、メスのほうがひと回り大きい形をしています。雌雄が揃えば繁殖も可能で、卵は孵化まで約1ヶ月ぐらいかかります。幼虫はとても小さく3mm程度なので、小さな餌が用意できないと累代飼育するのは難しいかもしれません。